一般社団法人
治せる治療家協会
谷野塾

なぜ治らない?

痛みの原因が誤って認識されている

なぜ治らないのか

例えば腰から下肢にかけての痛みであれば、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が痛み・痺れの原因であると誤認されてしまう事が多いからに他ならない

それでは痛みの原因とは何か?

答えは筋筋膜性疼痛症候群である

もちろん必ずしもこれに当てはまる訳ではないが、非常に多いケースという事である

•筋筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome,MPS)とは、筋肉に時に激しい疼痛を生じるものである。

•原因やメカニズムはある程度解明されているが、レントゲン検査、MRI検査など通常の西洋医学で行われる検査では目に見える根拠がないこともあり、存在そのものを医師でさえ認知されていないためヘルニア、脊柱管狭窄症などの神経根障害による痛みと誤った診断をされることが多い。

•慢性痛とは3か月以上続く痛みをいう。
脳の痛覚認知システムの過敏化が生じるため、いかに急性期に対処するかが治癒への重要な鍵となる。

症例

40代 男性 椎間板ヘルニア診断 定期的にブロック注射をしている

•デスクワークと立ち仕事の半々、毎日痛み止めを服用しながら仕事をしている

A 平成31年1月10日 初診時 左臀部から下腿外側までの強い痛みがあるが腰部には自覚症状なし
3回/日 ロキソニン服用
体を直立しようとすると激痛が走る
仰臥位・腹臥位不可 側臥位で左臀部の鍼治療(大殿筋と梨状筋、坐骨神経周囲のファシア)
B 1月13日 痛みやや軽減
直立できない
腹臥位不可 前回と同じ鍼治療
痛み止め服用日数減る
C 1月27日 痛みは7割改善
腹臥位10分ほど可
痛み止め服用日数減る
D  2月10日 直立できる 梨状筋起始部の圧痛 圧痛部位に刺鍼
ハムストリングスの痛み・下腿の痛みはほぼ消失

動画
腰部の痛みはないが張りを訴える。
L4・5棘突起を押圧すると強い圧痛あり
右側方にヘルニアの突出と評価し、側方への押し込み体操の結果改善が見られた。

恐怖心があるが押し込み中に痛みが増強することはない。
自宅でも毎日この体操を行うよう指導


E 右側方から中心への押し込みの後は必ず後方から前方へ向かって椎間板を押し込む。
F  3月3日姿勢の改善とともに、エクササイズにて痛みをコントロールすることが可能になってきた。

70代 女性 脊柱管狭窄症と診断 手術を検討していたが医師であるご息女のアドバイスで手術を断念され当院を受診

A  平成28年 8月26日  6月から整形外科を受診され、痛み止めを服用
MRI検査も仰臥位になれないため撮影中止、手術の予約をされたが
医師であるご息女のアドバイスで手術を断念し、ご来院された
夜間痛で不眠、仰臥位、腹臥位不可、台所に5分立っていられない
右臀部から右下腿外側までの激しい痛み
B 平成28年 9月8日 夜間痛変化なし 寝返りが打てるようになる
C   平成28年 10月14日 痛みが半減
D  平成28年 11月14日 30分ほど歩行可能になる
E 平成28年 12月14日 このころから毎日5000歩 ウオーキング
F 平成28年 12月28日 長時間の座位にも痛みなくバス旅行に行くことができるようになった
現在は週に1回の当院のグループフィットネスに参加され、山歩きを満喫中

まとめ

•神経根が圧迫を受けて痛みやしびれが生じているのではなく神経根に血液を送っている細動脈の血流が障害されてその神経の支配領域に痛みやしびれが生じる。

•高齢者の6~7割に脊柱管狭窄症があるといわれている。ヘルニア、狭窄症があっても症状がない人も多い。

•無駄の検査を受けて、大量の薬を投与、それでも治らなければ手術を勧められる、手術後に治るどころか悪化する人もいる。

•脊柱管狭窄症の症状である間欠性跛行(歩くと痛みやしびれが生じ歩けなくなる。しばらく休むと回復するがまた歩けなくなる)
これは例えば正座をしていると筋肉がこわばり神経が圧迫され血行不良が生じる状態と酷似している

世界的に筋膜への関心が高まる中、MPSへのアプローチ無しに運動機能障害の改善は難しいと考える

サルコペニアによる筋肉の痛み

サルコペニアとは、加齢による骨格筋量の低下と定義される。

現在健康寿命を延伸させるために国を挙げた取り組みが行われている。

しかし症状を発症してからの対策では遅すぎる。

また発症してから医療機関を受診しても手術の選択肢しかないのが現状である。

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)、現代病であるサルコペニアにも対処できる知識と技術を身につけ、複数の病院をさまよう治療難民をなくし、痛みをかかえるすべての人を救うのが我々身体軸療法師の仕事である。

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